スマホ・タブレット対応のワークフローシステムを選ぶメリット・デメリットとは
業務効率化の救世主として、多くの企業が取り入れる「ワークフローシステム」をご存知でしょうか。近年では、企業内で使用する電子機器がパソコンに留まらなくなり、スマホやタブレットにもワークフローシステムを搭載する動きがあります。では、パソコン以外の端末にも対応するワークフローシステムのメリット・デメリットは何でしょうか。
そもそも「ワークフローシステム」とは?
「ワークフローシステム」は幅広い企業が導入を進めている新しい仕組みです。では、そもそもどんなしくみなのでしょうか。企業内の活動には基本的な「流れ」が存在しています。
たとえば、企業の経営に欠かせない経費処理の流れを使って解説しましょう。経費を使って購入したいものや旅費などがある場合は、事前に経費・会計の担当へ申請します。申請された内容は会計・経理の担当者がチェックし、不審なお金の流れではないか責任者が確認を行ったうえで、決裁権限者が経費処理にゴーサインを出します。複数人の監査を通して決裁が行われるため、会計処理に問題は起こりにくくなるしくみです。
こうした一連の流れをワークフローといいます。企業内には経費処理以外にもさまざまな業務の流れがあり、申請~決裁までの処理が不可欠です。こうした細やかな業務を滞りなくこなすために電子化されたものこそ「ワークフローシステム」なのです。簡潔にいえば、業務を電子化し、効率化できるしくみです。
スマホ・タブレット対応のワークフローシステムを選ぶメリット
企業活動における電子機器は、通常パソコンが中心です。デスクトップであれ、ノートパソコンであれ、基本的にパソコンによる操作が行われています。しかし、近年ではスマホの普及はもちろんのこと、利便性の高いタブレットも企業活動に積極的に取り入れている場合が多く、ワークフローシステムについてもスマホ・タブレットに対応しているものが登場しています。
では、スマホとタブレットにも対応しているワークフローシステムの導入には、どんなメリットがあるでしょうか。メリットは以下の3つです。
業務効率化が飛躍的にアップ
スマホやタブレットにも対応しているワークフローシステムを導入することで、これまでは社内のパソコンでしか処理ができなかった業務も一気に進めることができます。決裁者がタブレットしか持たない出張であっても安心です。在宅ワークの増加により、デスクトップの処理以外のワークフローが責務となりつつある今、スマホやタブレットでも申請~決裁のワークフローがこなせるようになると、業務効率が飛躍的にアップできるでしょう。
これまで以上に承認漏れがなくなる
これまでのワークフローシステムは、申請や決裁の通知がパソコン上のみに留まっていたため、決裁者が見落としてしまうと承認が遅れる傾向がありました。スマホやタブレットにも対応しているワークフローシステムの場合、申請~決裁までの流れがプッシュ形式の通知で行えるようになっており、出張先などでも確認できます。「今誰がどのように止めているのか」がこれまで以上に可視化されるため、承認漏れを防ぎやすくなっているのです。
便利なアプリに連携できる
スマホやタブレットと連携できるワークフローシステムの場合、便利なアプリに連携ができるようになったことも、メリットの1つといえるでしょう。新型コロナウイルス感染症を契機に盛んに導入されるようになったチャットツールに連携できるワークフローシステムも多く、在宅ワークや業務委託者も効率よくワークフローシステムに参加できます。
スマホ・タブレット対応のワークフローシステムを選ぶデメリット
利便性が高くメリットが大きいスマホ・タブレット対応のワークフローシステムですが、デメリットはあるのでしょうか。スマホやタブレットには色んな種類が存在しており、ワークフローシステムによっては非対応機種が存在しています。企業内で一括買い上げのタブレットの場合、近年はコストパフォーマンスがよいiPad以外のものも多く、非対応のため導入できない例もあるのです。
また、企業内で同一のスマホやタブレットが導入されていない場合は、個人の端末に紐づけを行う必要があり、対応機種を持たない方は参加できなくなってしまいます。導入の前に、社員が均一に参加できるシステムか否か、きちんと確認を行う必要があるのです。また、以下のようなケースにも備えておく必要があります。
便利だからこそのリスクを享受する必要がある
スマホやタブレットの利便性は「持ち運べること」にあるでしょう。企業内のデスクトップ型のパソコンとは異なり、国内・国外を問わずに持ち運ぶことができます。しかし、便利だからこそのリスクも享受する必要があります。ワークフローシステムを搭載しているスマホやタブレットが、盗難や紛失する可能性があるのです。企業内の大切な情報が流出する可能性は否定できないため、デメリットとして認識しておく必要があります。
まとめ
今回の記事では、多くの企業が導入している「ワークフローシステム」について、スマホ・タブレットに対応しているシステムのメリットやデメリットを中心に解説しました。ワークフローシステムは業務効率化の救世主として知られていますが、その一方でデメリットがないものではありません。企業が導入する際には、情報漏洩のリスクや導入コストなども踏まえつつ、充分に検討することがおすすめです。